横田増生 潜入ルポamazon帝国

ユニクロへも潜入取材している著者のamazon潜入第二弾。

物流拠点のamazon FCにおける労働環境や待遇面だけでなく、amazonのビジネスモデルを支える節税スキーム、マーケットプレイスAWS(Amazon Web Service) 、出版社との直接取引についても詳述。

人材獲得が困難な時代、分業化/単純労働化により欠員や需要の多寡に柔軟に対応していくのは、非常に合理的であるが、その一方で、末端の労働者の個々人の性質(性格、業務処理量能力、やりがい)は軽視(無視)している。amazonに限ったことではなく、単純労働とはそもそもそういうものなのかもしれないが。日本に限らず、出る杭は打たれる、という風にも読み取れる。

非常に興味深いのが、amazonの(税制上の)本社があるデラウェア州では売上(消費)税には非課税(通常5-10%程度)であり、フォーチュン500の6割以上の本社所在地であること。その他、米国において法人税は掛かる、トランプ減税で21%。ヨーロッパではルクセンブルクに利益を還流して節税。日本法人は、米国本社の補助業務を受託しており、売上の10%程度を手数料として受取るのみ。従って、日本においては他社と税率は同一であるものの、法人税の納税総額は圧縮されている。

思い出されるのが、ソフトバンクの節税。株式投資の観点からは、節税で得た現金を投資して成長を加速させて、同業他社を圧倒することができる企業であり、重要な観点かもしれない。